顧客の行動心理を理解し、効果的に集客を行う手法を解説!

2025.05.07
Webマーケティング


Webマーケティングやサイト運用において、ただ情報を届けるだけでは成果にはつながりません。重要なのは顧客の行動心理を深く理解し、適切なアプローチをとることです。

この記事では、顧客心理を捉えたマーケティング施策の基盤となる3つのステップ、
「ペルソナ」「潜在〜顕在顧客」「カスタマージャーニー」の視点から、成果を最大化するための考え方と手法を解説します。

1. ペルソナ設定で理想的な顧客像を絞り込む

まず最初に取り組むべきは、「誰に届けるか」の明確化を行うために「ペルソナ」という手法を用います。
ペルソナとは、理想的な顧客像を1人に絞って、年齢・職業・趣味・悩み・価値観などを具体的に設定する手法です。

類似するものに「ターゲット」がありますが、ターゲットは、ざっくりした属性の集まりを指します。ペルソナは、ターゲットの中からさらに絞り込み、代表的な1人を具体的に描き、特徴やニーズ、行動パターンを明確にする手法です。

●ターゲットとペルソナの違い

ターゲット:(年齢・性別・地域・関心などざっくりした属性の集まり)例)男性・30代・独身・会社員・都市部在住 / ペルソナ:ターゲットの中から代表的な「1人」を具体的に描いた人物像 例)男性・35歳・独身・東京都在住・IT企業の営業・興味はファッション、ゲーム、スキンケア、インテリア

1人に絞ると多くの人に伝わらないのでは?と疑問に思うかもしれません。
「ペルソナ=ターゲットを狭めるもの」と誤解しがちですが
ペルソナ設定の目的は“除外する”ことではなく、“軸を持って訴求力を高める”ことです。

たとえば:
・「便利なサービスです!」よりも
・「子育てに追われるあなたへ。5分で準備できる食材キット」 のほうが、
対象の人には「あ、私のことだ」と感じてもらえやすくなります。
つまり、誰か1人に響けば、その周辺の似た属性の人にも響くのです。

ペルソナの設定を行うときに大きく、

・デモグラフィック(個人のプロフィール)
・サイコグラフィック(興味・関心・考え方)

に分け設定していきます。以下、設定例です。

●ペルソナの設定項目
 例)海外で話題の最新ガジェット情報を届け販売するECサイトの場合

属性 具体的な情報
デモグラフィック
(詳しいプロフィール)
居住地:東京都内

年齢:35歳

性別:男性

家族:独身(家族別居/彼女あり)・または既婚子ども無し

年収:400万~600万

職業:IT企業の営業
サイコグラフィック
(興味・関心・考え方)
仕事の目標達成に喜びを感じる。自立している。健康に気を使う。
スキンケアは欠かさない。自分なりの美意識とこだわりが強い。
和より洋(アメリカ・西洋文化)が好き。白物・黒物家電は日本製が好き。
PC・ガジェットは海外のデザイン性と機能性が高いものが好き。

興味:
ファッション・車・洋楽・ゲーム・アニメ・スキンケア・セルフケア・ガジェット・インテリア

好むブランド:
ユニクロ・ナノユニバース・BEAMS・アーバンリサーチ・Apple・カステルバジャック・ディーゼル

購買状況:
欲しいと思ったものは価格が高いものでなければ買える。リーズナブルでデザイン・機能性に優れたものを購入している。

購買理由:
値段と自分が欲しい機能やシルエット(デザイン)がマッチしたので購入した。

ペルソナを設定することで、言葉やビジュアルの選定にブレがなくなり、似た悩みやニーズを持つ顧客へ情報を届けるホームページやコンテンツを制作することができます。
その結果「この商品やサービスは私のために作られている」と共感を生み、関係性を強化します。

2.潜在顧客と顕在顧客を理解し、状況に応じたアプローチする

ペルソナ設定で、「誰に届けるか」が明確になったら、次に意識すべきはその人物が今どの段階にいるかです。ここで重要なのが、「潜在顧客」「顕在顧客」の違いを理解することです。

●潜在顧客とは

まだ商品やサービスを「ほしい!」とは思っていないけど、いつか必要になるかもしれない人

●顕在顧客とは

すでに商品やサービスが「ほしい!」「買いたい!」と思っている人

例)ガジェット販売ECサイトの場合

顧客層 特徴
潜在顧客 仕事中に「なんか最近疲れるな」「デスクがごちゃごちゃしてるな」と感じているけど、
まだ“ガジェットを買おう”とは思っていない人
顕在顧客 「モニター台が欲しい」「疲れにくいマウスが欲しい」と
具体的に探している人

顧客が今どのステージにいるのかを理解することで、「どんなチャネルで」「どんな情報を」届ければよいかが見えてきます。

潜在顧客へは「SNSでアプローチ」デスク周りが片付く便利グッズ特集、仕事がはかどる最新アイテム5選など「便利そう!という気づきを与える投稿を行う」 / 顕在顧客へは「ホームページでアプローチ」比較記事(おすすめマウス5選)、LPや商品ページで訴求、レビュー・導入事例ページなど、「これなら買ってもいいなと思える情報で後押し」

潜在顧客と顕在顧客を理解することで、見込み顧客が自然に次のステップへ進むよう、効果的な導線設計が可能になります。

3.カスタマージャーニーマップで感情の動きを見える化する

「ペルソナの設定」と「潜在顧客・顕在顧客へのアプローチ方法」を理解できたら、次はカスタマージャーニーマップという手法を使って、顧客がもつ悩みや要望に対し、商品を見つけて「これ欲しいな」と思ってから、実際に購入・使用するまでの行動や気持ちの流れを、以下の項目をもとに可視化していきます。

項目 詳細
フェーズ
① 認知(まだ知らないとき)
② 興味・関心(「なんだろう?」と気になりはじめたとき)
③ 比較・検討(「いいかも!」と思って調べはじめたとき)
④ 購入(買うと決めたとき)
⑤ リピート・情報拡散(使って「買ってよかった」と思ったとき)
チャネル 顧客と企業・サービスが接触する手段や経路
(SNSやホームページ)
行動 顧客の具体的なアクション
思考 顧客が、何を考えているのか、どんな感情を持っているのかという心理状態
タッチポイント 顧客が商品・サービス・ブランドに接触する具体的な接点
顧客の悩み 顧客がそのフェーズで抱えている疑問・不安・不満・葛藤など、購入に影響するマイナス感情

●カスタマージャーニーマップ 作成例
ガジェット販売ECサイトの場合

カスタマージャーニーマップ

カスタマージャーニーを作成することで、顧客の気持ちや行動の変化を時系列で整理でき、「どのタイミングで」「どのチャネル(SNSやホームページ)を使い」「どのような情報を発信すればよいか」が明確になります。その結果、商品やサービスを必要としている顧客に対して、より効果的に情報を届けられるようになり、購入につながりやすくなります。成果の最大化も期待できます。
また、思うように集客ができなかった場合でも、どの段階に問題があるかを特定しやすく、迅速な改善策を打ち出すことができるため、施策の精度を高め続けることができます。