顧客の行動心理を理解し、効果的に集客を行う手法を解説!
Webマーケティングやサイト運用において、ただ情報を届けるだけでは成果にはつながりません。重要なのは顧客の行動心理を深く理解し、適切なアプローチをとることです。
この記事では、顧客心理を捉えたマーケティング施策の基盤となる3つのステップ、
「ペルソナ」、「潜在〜顕在顧客」、「カスタマージャーニー」の視点から、成果を最大化するための考え方と手法を解説します。

1. ペルソナ設定で理想的な顧客像を絞り込む
まず最初に取り組むべきは、「誰に届けるか」の明確化を行うために「ペルソナ」という手法を用います。
ペルソナとは、理想的な顧客像を1人に絞って、年齢・職業・趣味・悩み・価値観などを具体的に設定する手法です。
類似するものに「ターゲット」がありますが、ターゲットは、ざっくりした属性の集まりを指します。ペルソナは、ターゲットの中からさらに絞り込み、代表的な1人を具体的に描き、特徴やニーズ、行動パターンを明確にする手法です。
●ターゲットとペルソナの違い

1人に絞ると多くの人に伝わらないのでは?と疑問に思うかもしれません。
「ペルソナ=ターゲットを狭めるもの」と誤解しがちですが
ペルソナ設定の目的は“除外する”ことではなく、“軸を持って訴求力を高める”ことです。
たとえば:
・「便利なサービスです!」よりも
・「子育てに追われるあなたへ。5分で準備できる食材キット」 のほうが、
対象の人には「あ、私のことだ」と感じてもらえやすくなります。
つまり、誰か1人に響けば、その周辺の似た属性の人にも響くのです。
ペルソナの設定を行うときに大きく、
・デモグラフィック(個人のプロフィール)
・サイコグラフィック(興味・関心・考え方)
に分け設定していきます。以下、設定例です。
●ペルソナの設定項目
例)海外で話題の最新ガジェット情報を届け販売するECサイトの場合
属性 | 具体的な情報 |
---|---|
デモグラフィック (詳しいプロフィール) |
居住地:東京都内 年齢:35歳 性別:男性 家族:独身(家族別居/彼女あり)・または既婚子ども無し 年収:400万~600万 職業:IT企業の営業 |
サイコグラフィック (興味・関心・考え方) |
仕事の目標達成に喜びを感じる。自立している。健康に気を使う。 スキンケアは欠かさない。自分なりの美意識とこだわりが強い。 和より洋(アメリカ・西洋文化)が好き。白物・黒物家電は日本製が好き。 PC・ガジェットは海外のデザイン性と機能性が高いものが好き。 興味: ファッション・車・洋楽・ゲーム・アニメ・スキンケア・セルフケア・ガジェット・インテリア 好むブランド: ユニクロ・ナノユニバース・BEAMS・アーバンリサーチ・Apple・カステルバジャック・ディーゼル 購買状況: 欲しいと思ったものは価格が高いものでなければ買える。リーズナブルでデザイン・機能性に優れたものを購入している。 購買理由: 値段と自分が欲しい機能やシルエット(デザイン)がマッチしたので購入した。 |
ペルソナを設定することで、言葉やビジュアルの選定にブレがなくなり、似た悩みやニーズを持つ顧客へ情報を届けるホームページやコンテンツを制作することができます。
その結果「この商品やサービスは私のために作られている」と共感を生み、関係性を強化します。
2.潜在顧客と顕在顧客を理解し、状況に応じたアプローチする
ペルソナ設定で、「誰に届けるか」が明確になったら、次に意識すべきはその人物が今どの段階にいるかです。ここで重要なのが、「潜在顧客」と「顕在顧客」の違いを理解することです。
●潜在顧客とは
まだ商品やサービスを「ほしい!」とは思っていないけど、いつか必要になるかもしれない人
●顕在顧客とは
すでに商品やサービスが「ほしい!」「買いたい!」と思っている人
例)ガジェット販売ECサイトの場合
顧客層 | 特徴 |
---|---|
潜在顧客 | 仕事中に「なんか最近疲れるな」「デスクがごちゃごちゃしてるな」と感じているけど、 まだ“ガジェットを買おう”とは思っていない人 |
顕在顧客 | 「モニター台が欲しい」「疲れにくいマウスが欲しい」と 具体的に探している人 |
顧客が今どのステージにいるのかを理解することで、「どんなチャネルで」「どんな情報を」届ければよいかが見えてきます。

潜在顧客と顕在顧客を理解することで、見込み顧客が自然に次のステップへ進むよう、効果的な導線設計が可能になります。
3.カスタマージャーニーマップで感情の動きを見える化する
「ペルソナの設定」と「潜在顧客・顕在顧客へのアプローチ方法」を理解できたら、次はカスタマージャーニーマップという手法を使って、顧客がもつ悩みや要望に対し、商品を見つけて「これ欲しいな」と思ってから、実際に購入・使用するまでの行動や気持ちの流れを、以下の項目をもとに可視化していきます。
項目 | 詳細 |
---|---|
フェーズ |
① 認知(まだ知らないとき) ② 興味・関心(「なんだろう?」と気になりはじめたとき) ③ 比較・検討(「いいかも!」と思って調べはじめたとき) ④ 購入(買うと決めたとき) ⑤ リピート・情報拡散(使って「買ってよかった」と思ったとき) |
チャネル | 顧客と企業・サービスが接触する手段や経路 (SNSやホームページ) |
行動 | 顧客の具体的なアクション |
思考 | 顧客が、何を考えているのか、どんな感情を持っているのかという心理状態 |
タッチポイント | 顧客が商品・サービス・ブランドに接触する具体的な接点 |
顧客の悩み | 顧客がそのフェーズで抱えている疑問・不安・不満・葛藤など、購入に影響するマイナス感情 |
●カスタマージャーニーマップ 作成例
ガジェット販売ECサイトの場合

カスタマージャーニーを作成することで、顧客の気持ちや行動の変化を時系列で整理でき、「どのタイミングで」「どのチャネル(SNSやホームページ)を使い」「どのような情報を発信すればよいか」が明確になります。その結果、商品やサービスを必要としている顧客に対して、より効果的に情報を届けられるようになり、購入につながりやすくなります。成果の最大化も期待できます。
また、思うように集客ができなかった場合でも、どの段階に問題があるかを特定しやすく、迅速な改善策を打ち出すことができるため、施策の精度を高め続けることができます。